父親が歌舞伎役者の家に生まれた息子たちの中で、歌舞伎役者を継がなかった人は、どんな生き方を選んだのでしょうか?
どうしているの?
映画などの歌舞伎以外の芝居をする役者になった人がいる半面、実は、役者とはまったく別の道を歩む人もいます。
父親と同じく、息子もまた歌舞伎役者を継ぐとは限りません。
この記事では、歌舞伎役者の父親のあとを継がずに、違う生き方を選んだ3人を紹介します。
歌舞伎役者たちは、自分の意思でその道を歩んでいるのです。
歌舞伎役者とは違う生き方を選んだ息子たちの活躍を知ることができます。
目次
歌舞伎役者を継がない息子もいる
父親が歌舞伎役者の家に生まれた息子は、歌舞伎役者になることが多いと言われます。
しかし、歌舞伎役者ではなく、別の生き方をする息子もいるのです。
歌舞伎役者の家に生まれたら、歌舞伎役者を継がなければならないという決まりはありません。
歌舞伎役者を息子が継ぐ条件は特にない
歌舞伎役者を父親に持つ息子が、歌舞伎役者を継ぐ場合、特別な条件はありません。
父親が歌舞伎役者だから、息子も歌舞伎役者になれるというわけではないのです。
歌舞伎役者を継ぐかどうかは、本人の意思次第だと言えます。
歌舞伎役者を継がない息子が選んだ道
父親と同じ歌舞伎役者にはならなかった息子たちは、どのような生き方を選ぶのでしょう?
彼らもまた、私たちと同じように、将来やりたいことは何なのかを考え、時に悩んだりしたに違いありません。
①喜熨斗勝(きのしまさる)さん(歌舞伎研究家)
父親は、コナンドイルをもじった小納戸容(こなんどいるる、こなんどいると表記した文献もあり)というペンネームで推理小説なども書いた、二代目市川小太夫という役者です。
喜熨斗(きのし)さんは、1935年生まれ。
幼少時に舞台を踏んだものの、その後は歌舞伎からは引退し、遠ざかります。
中学・高校では演劇部に参加し、さらに「劇団民藝」という劇団の演出家の研究会でも演劇について学び、入学した明治大学でも演劇を専攻します。
卒業後は文化放送に入社し、アナウンサーとして数々の番組を担当。
1963年にフリーに転身、「3時のあなた」という人気の情報番組でアシスタントを務めるなど、司会やナレーターとして活躍。
ケーブルテレビで番組の制作に携わったのち、歌舞伎役者の家に生まれた経験をメディアで語る機会が増えたのです。
歌舞伎研究家として歌舞伎講座や著書「歌舞伎 芸と血筋の熱い裏側」などで、歌舞伎の魅力を伝えています。
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市川猿之助さん、市川中車さんとは、いとこの孫にあたります。
週刊文春では、市川中車さんとの再会のエピソードを語っています。
余談ですが、「3時のあなた」の歴代の司会者には尾上菊之助さんの母の富司純子さん、中村壱太郎さん・中村虎之介さんの祖母の扇千景さんがいますが、喜熨斗さんとは出演時期が異なっていました。
喜熨斗勝さんの息子は、2022年サッカーワールドカップのセルビア代表でコーチを務めた喜熨斗勝史さんです。
喜熨斗さんは2022年6月に亡くなっていたことが、2023年10月に週刊誌の報道で明らかになりました。
②岡崎泰正さん(ギタリスト、シンガーソングライター)
父親は2022年の6月に89歳で亡くなられた坂東竹三郎さんです。
岡崎さんは1974年生まれ。
1977年に3歳で初舞台を踏みましたが、10歳で引退。
2023年現在は、ギタリスト、シンガーソングライターとして活躍しています。
13歳でクラシックギターを始め、16歳バンドを組みエレキギターを演奏するようになった岡崎さんは、17歳で読売ギターコンクール高校生の部で銀賞、19歳でコンクール大学生の部で銅賞を受賞し、ライブハウスでシンガーソングライターとしてデビューしました。
ギターだけではなく、三味線を演奏することもあり、幅広く音楽活動しているのです。
竹三郎さんが2022年の2月に松尾芸能賞功労賞を受賞した際の記念のイベントでは、竹三郎さんと岡崎さんの親子共演が見られました。
③おがわ智也(小川龍之助)さん(歌手、作家)
父親は中村歌六さん、中村米吉さんは兄にあたります。
小川さんは1995年生まれ。
初舞台は2000年、5歳のときです。
兄が五代目中村米吉を、小川さんが初代中村龍之助(りゅうのすけ)を名乗り、兄弟そろっての初舞台でした。
2006年には歌舞伎座や新橋演舞場に出演したものの、その後は引退し、歌舞伎の舞台からは遠ざかっています。
2023年現在、小川さんは歌手、作家として活躍しています。
小川さんの母親は「おがわ恵子」さんという歌手で、1980年代にはロス・インディオスというバンドにボーカルとして参加していました。
小川さんは「おがわ智也」の名前で母親と同じステージに、たびたび立っているのです。
2023年6月にも、コンサートが開催されました。
2021年には小川龍之助という名義で、「不登校な僕の趣味はエゴサとヒーロー活動」という小説を発表しました。
不登校な僕の趣味はエゴサとヒーロー活動【電子書籍】[ 小川龍之助 ]
小川さんのInstagramで最新情報をチェックしましょう。
歌舞伎役者を継がず、別の道を歩む息子もいる
父親が歌舞伎役者の家に生まれながら、歌舞伎役者を継がなかった息子たちもいます。
歌舞伎役者になるのも、引退して違う生き方を選ぶのも、本人次第です。
歌舞伎役者を継がなかった息子たちは、自分の選んだ道で活躍をしています。
歌舞伎役者とは違う生き方をする、3人の方を紹介しました。